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義理堅いロン 〜 タイノワンコ その5

私がチェンマイに行くといつも泊まるホテルの近くに、ロンという黒くて痩せたオスの野良犬がいる。牛乳が好きなロン(その2参照)と同じ名前の犬で、このチェンマイのロンもいつもセブンイレブンの近くでゴロゴロしている。

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私はバンコクに住んでいるので、ロンと顔を合わせる機会はそんなに多くはない。年に数回ほど。それなのにロンは私のことを覚えていて、特に眠たかったりしなければ、私を見ると尻尾を振って近付いてくる。数ヶ月に一度しか現れない私にロンが懐いているのには、彼が人懐こいことのほかに、もう一つ別の理由があるような気がしている。

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あるとき、ロンは私の目の前でバイクと接触した。道の向こうをトコトコ歩いていたロンが、気が付いたらひっくり返っていた。ロンは立とうとするけれど、後ろ足に力が入らず立つことができない。私はロンが大怪我をしているかもしれないと思い、病院に連れて行こうと考えた。でも、抱き上げようとすると、ロンはキャン!と鳴いて嫌がった。痛いらしい。

しかたがないから、ロンを何とか歩道の端に移して、すぐそばに食べるものと水を置いた。周りの商店や食堂の人たちに連絡先を渡して、私はすぐそこのホテルに戻った。ロンは動くことができなかった。でも、骨が折れたりはしていないみたいだった。

それから数日、私は日に何度かロンの横たわっているところに行って、食べものと水を与えて様子を見た。近所の人たちも気にして見ていてくれていた。怪我は大したものではなかったらしく、2日もするとロンはヨタヨタと歩き始めた。また事故に遭ったりしないように、私はゆっくり歩を進めるロンの後ろについて一緒に歩いた。

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その件以来、ロンは私を見ると尻尾を振ってついてくるようになった。チェンマイに来る機会がなく、半年以上姿を見せなかったこともあるけれど、ロンの態度は変わらなかった。ロンがほんとうにあのときのことを覚えているのか、どんな風に思っているのか、それは私にはわからない。だけど、こういう経験はほかにもある。もしかしたら、犬は意外と義理堅い動物なのかもしれない。

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