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タイの移転価格税制の付表解説

タイの移転価格税制の付表解説

移転価格税制が歳入局から公表されたのが2018年11月22日。本当に移転価格税制がタイで適用されるのか、移転価格文書を本当に作成する必要があるのか、また適用が延期になるのではないのか、といろいろとお考えになられていたかと思います。

それもこれも移転価格税制に関する付表(年度申告書に添付する形式のもので、提出義務違反は罰金20万バーツの対象。毎年提出)がいつまでたっても公表されなかったことに尽きます。

タイの移転価格税制に関する付表

この度、税制改正から約1年経過した2019年11月7日(木)に、歳入局から「移転価格税制に関する付表」の公表がありました。この公表により、名実ともにタイの移転価格税制が改正となり、2億バーツ以上の売上の法人については、関連会社取引を記載した付表の提出及び移転価格文書の作成保存をしなくてはなりません。(※これに違反した法人は各々20万バーツ以下の罰金が科されます。)

今回のコラムでは公表された付表の内容を徹底的に解説します。※12月決算法人は2020年の5月29日までに必ずこの付表を提出することになるためにご確認をお願いします(初回は12月決算法人。その後の決算期法人は決算日から150日後)。

付表の記載事項

会社又はパートナーシップ

①納税者番号
②会計期間
③名称
④機能通貨(基本:バーツ  歳入法76条において承認された場合:その他)
⑤タイで活動する関係会社(国内関連者)
  Ⅰ関係会社の名称
  Ⅱ納税者番号
  Ⅲ取引の有無(ある場合には下記の「セクション1」を記載してください)
⑥タイで活動しない関係会社(国外関連者)
  Ⅰ関係会社の名称
  Ⅱ所在地国
  Ⅲ取引の有無(ある場合には下記の「セクション2」を記載してください)
※セクション1とセクション2は同内容であり、共に移転価格税制の対象

ここまでは会社の基本情報であり、タイ国内で活動する関係会社とタイ国外で活動する関係会社を分類するのみです。国内関連者との取引もタイにおいては移転価格税制の対象となるために、国内関連者と国外関連者に分類して記載する形式をとっています。なお、タイの関係会社の定義は、50%以上の資本を有する会社又は実質的に支配関係にある会社であり日本の移転価格税制と同様の立て付けです。

続いてセクション1とセクション2の内容について記載します。上記が会社概要であり、このセクション1とセクション2の内容が取引内容となります。

2.取引内容(国内関連者及び国外関連者との取引)

①関係会社の名称
「1.会社又はパートナーシップ」に記載した関連者からの収入がある場合
②営業収入の金額
③その他収入の金額

「1.会社又はパートナーシップ」に記載した関連者からの購入がある場合
④商品(製品)/材料の金額
⑤土地/建物/設備(有形固定資産の購入)の金額

「1.会社又はパートナーシップ」に記載した関連者への支払いがある場合
⑥-ⅰロイヤルティの金額
⑥-ⅱマネジメントフィーの金額
⑥-ⅲ利息の金額
⑥-ⅳその他の費用

「1.会社又はパートナーシップ」に記載した関連者との貸借契約がある場合
⑦関係会社借入金の金額
⑧関係会社貸付金の金額

その他各国で付表の作成に携わったことがある方は、どこも記載内容は同じという印象を受けるものと思います。タイにおいても例外ではなく、関係会社との取引をセグメンテーションして、取引総額を記載する形式となります。年次報告書との金額に差異がないかをしっかりと確認するようにしてください。次はその他詳細について記載します。

3.その他詳細(Yes/Noで答えてください)

 ①提出会社は連結財務諸表を要求されていますか?
 ②提出会社は当該事業年度において組織再編成を行いましたか?
 ③提出会社の収入に影響を与えましたか?
 ④提出会社の費用に影響を与えましたか?
 ⑤提出会社の粗利益に影響を与えましたか?
 ⑥提出会社は事業年度において関係会社に無形資産を譲渡しましたか?

提出会社を主体として考えていただければと思います(つまりタイ法人)。また、③~⑤の「影響を与えましたか?」は、移転価格税制において、特段重要性等の基準は定められていないため、前年度に比べて金額的に大きなインパクトがあったか否かを会社の判断において記載するものと思います。我々の見解ではYESにマークを付けると目に付くために、基本的にはNOにチェックを入れることになると認識しています。

以上が2019年11月7日に公表された付表の内容となります。いかがでしたでしょうか?当初想定していたより手間がかからないシンプルな内容となった印象です。こちらの付表をオンラインで貴社のタイ人担当者が歳入局に提出することになります。最後に提出の流れについても少しだけ(まだ、実装されておらず手探りなので、実装後の手続きが異なった場合には追加情報を随時提供致します)。

移転価格の付表の提出があるか?

法人税申告(PND50)をオンライン申請する画面において、「移転価格の付表の提出があるか?(つまり売上高が2億バーツに達しているか?)」というチェック欄が設けられました。そこにチェックを入れると今回公表された付表の内容を入力する画面に飛びます。そして付表の内容を入力する画面において上記の記載内容を1つずつ入力していくことになります。

また、電子申告をした際において、売上金額が2億バーツ以上だとしても、システム上で自動的に付表のチェック欄にチェックマークは現状入らないようです。そのため付表のチェックマークを手動で付していただく必要があります。

タイの移転価格税制協力会(タイ会計事務所5社、日本会計事務所5社が参画)においては、法改正の情報を今後も適宜アップデートしていきます。ご好評いただいている移転価格税制のセミナー、5回目となる次回は2020年2月に開催予定です。

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