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タイの無人島

タイの無人島

キャンプで無人島に

最近はぶりがよく船を買った友達がいて無人島に行きキャンプをすることになった。その島はタイの領海の200kmのところに点在していた。

その日は暑い日で海も波がなく本当に穏やかな日だった。無人島には港から約4時間ほどかかる。船は釣り船を改造した船で中々乗り心地がよい。海風に向かい本当に海に来たという快適な気分にみんな浸っていた。ようやく沖合いのほうに、ポツンと小さな島影が浮かび上がった。

島が近づくと友達は100mほど沖にいかりを落として島の様子をうかがうと言い出した。私は「どうして島のもっと近くに停泊しないのか」と聞くと友は「潮の流れが意外と速くゴムボートが流される可能性がある。少し潮が引くのを待っている」と言うことだった。

それから2時間島を目の前にして眺めていると小さい人影のようなものが島の山肌に沿って降りてくるのが見えた。私は「なーんだ無人島じゃない」と思ったがみんなには話さなかった。

島への上陸

2時間ほどして潮が引き始めゴムボートに色々な物を乗せて4人で漕ぎ出し10分ほどで島の海岸に着いた。海岸は人気がなくやはり無人島のおもむきがあり上陸すると早々荷物を降ろし遊び始めた。そうこうしてる間に夕陽が水平線に沈みかけ、みんなはそれを眺めてビールやジュースで乾杯をした。陽が完全に水平線に沈むと火を囲みキャンプファイヤーをはじめた。

夜の8時を過ぎたころ海岸の端のほうから明かりがユラユラ揺れてこちらに近づいて来るのが見えた。3人は「なーんだ人が居たじゃないか?」と口々に大きな声で叫んだ。3人は少しがっかりした態度だった。私は上陸する前に見ていたので「やはり人が居たんだ。」と思った。

Jonny_Joka / Pixabay

近づいて来る明かりに向かい、誰からとも無く「こっちですよー」と酔いに任せ言っていた。近づいてくる明かりは近づくにつれてタイでは珍しい「ちょうちん」だとわかった。5mほど手前で明かりが消え人影が近づいてきた。闇の方に目を凝らして見ると人影は2名だった。

島の住人との宴会

キャンプファイヤーの火に近づくと農作業をした帰りらしく野良服姿の人だった。私たち4人は彼らに向かい軽い挨拶をした。私が遠慮して近づかない二人に向かい「こちらに来ていっぱいやりませんか?」とたずねると二人は照れくさそうに寄ってきて火に当たりながらビールを勧めるとおいしそうに飲みながら村の話をはじめた。

二人の話は村はちょうど私たちの居る海岸の裏にあり100人ほど暮らしてることなど話してくた。帰りがけに二人は「やぶ蚊がこの辺は多いからキャンプで寝るのを止めて船で寝たほうが安心だ。」と言い残しまたちょうちんに明かりをつけて闇の中に去って行った。私は去ってゆく二人を目で追った。途中からユラユラ揺れるちょうちんの明かりだけになり「ポツン」と突然消えたような気がした。

私は「酔ってるせいだ。」と自分に言い聞かせた。私たち一行は農民二人の忠告を聞いて荷物を海岸に置き船に戻り船の中で休んだ。

翌朝の驚きと帰宅中の恐怖

ゴムボートで海岸に向かうと私たちが食い残したものを漁りに来たのか、野鼠が5匹ほど真っ黒になって岸辺の荷物の脇に転がって死んでいた。鼠の死骸の周りにはやぶ蚊の群れが同じように死んでいた。それを見ると私たちはあの人たちの忠告は本当だったと確信した。帰宅途中。船の燃料がなくなりかけて小さな港の給油所に寄った。私は給油をしてる間に売店の従業員に昨日行った島のことを聞いた。

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若い従業員は知らないと言っていた。若い従業員の脇に居た年寄りの男性が話しかけてきて色々話してくれた。老人は「島には何十年も前から人は住んで居ない」と話した。私たちが二人の人と話したというと老人は「そんなはずは無い。証拠を持ってくる。」と言って5分ほど奥の部屋に引き上げて額に入れた写真を抱えて戻ってきた。額に入った写真は航空写真で島の全景が見えるものだった。

the_nautilus / Pixabay

私たちが居た海岸も写っていた。海岸の裏は段々畑になっていて、畑に青い草が茂ってるのが判った。私は「なーんだやはり畑があるのだから人が居たんだ。」と言うと老人は「よーく畑の中を見なさい。」と言うと写真を私の手元に渡した。私が写真に目をこらし近づくと畑の中は無数の墓や墓標が点々と段々畑の中に所狭しと建っていた。それを見て私をはじめ友達は唖然とした。

段々畑の下の方にはお寺が見えた。老人の話では「この島は50年ぐらい前から無人島で名前は墓場島といい人が死んだときにこの島に渡り葬式や埋葬をしている。そのときだけ人が島に渡り居る。」と話した。では「私たちと話したあの2名の農民は?」と思ったとたん4人は恐怖で顔が引きつっていた。

老人は優しく話しはじめました。「きっと珍しく遊びに着たあなたたちを見て、優しい人か確かめて色々教えて帰ったのではないか?」との事だった。

私たちはその話を聞き神妙な思いで帰宅した。

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