タイ人女性(以下Bと言います)から自分の日本人の夫(配偶者;以下Aと言います。)が亡くなったので、Aが生前所有していた財産を相続したいという依頼がありました。
タイで婚姻証があれば相続人となる?
Bからタイでの婚姻証明書を手渡され、タイでは法律上も結婚していたという明らかな証明を確認できました。では、このタイでの婚姻証明書があれば、日本でも国税庁(及び他の所轄官庁)がBをAの相続人として認めてくれるでしょうか。
結論からすると、タイの婚姻証明書があっても日本の行政官庁はBをAの相続人とは認めません。日本では外国人との婚姻は役所へ婚姻の届け出とともに、夫婦による新戸籍を編製しなければ、正式な夫婦と認めていないからです。
遺産は相続の方法
まずタイの日本大使館にタイでの婚姻の届け出を行い、その後日本側で夫婦の新戸籍を編製して、初めて日本での婚姻(BがAの配偶者となる)が認められるのです。つまり日本で戸籍上の配偶者となっていないと、相続人となれないため、遺産は相続できません。
タイで暮らしている日本人男性は、タイ人の妻を娶ることが良くありますが、タイで結婚しただけでは、自分の遺産をタイ人の妻に相続することはできないのです。