日本のプロサッカー「Jリーグ」の強豪、浦和レッズが主催するタイの子供たちを対象とした恒例のサッカースクール「ハートフルサッカー in タイランド」が30日、バンコクで開幕した。元日本代表のコーチら5人と、初日の会場となったバンコク・クリスチャン・カレッジの小学生約50人が参加。サッカーを通じた心と心の交流を楽しんだ。
レッズが同様のイベントをタイで開催するのは、今回が9回目。2007年のAFC(アジアサッカー連盟)チャンピオンズリーグで、日本のクラブチームとして初めて優勝したレッズ。それを記念して本格的に始まったのが「ハートフルサッカー」の取り組み。
スクールはこれまで、タイのほか中国、インドネシア、韓国、UAE、マレーシア、シンガポール、香港、バングラディッシュ、台湾で開催され、のべ回数は計84回、総参加人数はのべ約5500人。
「スポーツで、もっと、幸せな国へ。」を合言葉にレッズ、そしてJリーグが進める国際草の根交流。その中心となる考え方が「技術ではなく心を育む」。技術ばかりだけではなく、スポーツの楽しさ、仲間の大切さを学んでほしいと、教育的な観点を取り入れているのが特徴だ。
「スポーツは楽しい」⇒「みんなで楽しもう」⇒「楽しむにはルールを知らないと」⇒「ルールを知るのはコーチの話を聞こう」というのが基本的な取り組みへのスタンス。初日のこの日も、コーチ陣から「ルールをしっかり守ろう!」と繰り返し指示があった。
全体ミーティングでは、コーチ・スタッフを代表して落合弘キャプテン(2010年日本サッカー殿堂入り)が挨拶。「楽しむことはふざけることではありません。ボールを奪われて悔しかった時に、シャツを掴むなんてもってのほか。その悔しさを乗り越え、一生懸命プレーしてほしい。その積み重ねがサッカー。だからサッカーは面白い」と話があると、子供たちは真剣な面持ちで聞き入っていた。
スクールは30日午後、バンコク日本人学校に場所を替えて開催された後、5月1日はバンコク北部クリスタル・フットボール・クラブでチェンマイのサッカークラブ「ロムサイFC」の子供たちを招いて行われる。