平均的なタイの人々の暮しを紹介している連載企画「タイの人々の暮らし」。衣・食・住とある中で現在お届けしているのは、最も馴染みのある「食」について。外食や持ち帰り(中食)など、これまでに計6回特集してきたが、いよいよ終盤戦。そこで今回と次回は、緊急覆面座談会を実施することに。まず、前半はタイの一般消費者の食生活、次回後半は食品関連事業者の声をお届け――。
タイの人々は外食好きで知られていますが、お店の情報はどこから得ているの?
A(OL、32歳):私はもっぱらクチコミですね。友達が美味しいと言っていたり、行列ができたり。そういうところにしか行きません。
B(男性営業マン、29歳):僕はインターネットでの検索ですね。テレビで見たお店を覚えておいて、後で探します。クーポンもあって便利です。
外食の頻度はどうですか?
C(社長女性秘書、41歳):平日の夕食はほとんどが外食です。同僚と食堂や屋台で食べたりしています。日本食など、ちゃんとしたレストランに行くのは、月に3~4回ぐらい。
D(コンサル会社経営、47歳):僕もそうですね。取引先との付き合いもあるので平日はほとんど外食。日本食も食べますが、タイ資本のお店ならそう高くはありません。
E(企業女性受付、36歳):私は妹2人と3人で住んでいますが、料理は滅多にしません。平日の夕食は外食か屋台からの持ち帰りです。
その中食(持ち帰り)はどうでしょう?
A:持ち帰りは多いと思いますよ。毎日外食だったら、お金かかっちゃうし。
E:私もそう。あらかじめ妹と好きなものを買ってくる約束をしておいて、分けあって食べます。持ち寄ると、結構、豪華になっていいですよ。お金もかかりませんし。
D:僕の家では妻が料理をするので、持ち帰ることはありません。でも、回りの家では持ち帰りは頻繁ですね。
休日はどうしているのですか?
B:僕は週末は実家に帰りますので、母か祖母が作ってくれます。友達と会う時は外食もあります。今はお金を貯めているので、そんなに高いお店には行けませんけど。
C:私も週末は実家に家族が集まりますので、逆に家の中で食べますね。持ち寄ったり、母が作ったり。平日と休日では食生活ががらりと変わります。
日系レストランには行きますか?
D:何か特別なお祝いがあったりした時ですかね。もちろん、接待で行くこともありますが、毎日だったら高くてとても続きません。
E:私も。うちの姉妹はみんなグルメなので外食もしますが、日系の日本食レストランは1ヶ月に1回あるかどうか。そういうお店はお酒も高いので、敬遠気味です。
A:でも、やっぱり行ってみたい。だから私は、グルメ仲間の友達とよく調べてから、「このお店!」というところを狙って、1ヶ月か2ヶ月にいっぺんは食べに行っています。
日本食以外にも、ファストフードや西洋料理もありますが…
C:ファストフードはすぐに飽きてしまいます。ヨーロッパの料理も美味しいとは思いますが、やはり食事と言えば断然、ご飯がベースではないでしょうか。
B:僕も、ご飯を食べないと食べた気がしません。友達の家では最近、パンも食べるようになったそうですが、好きなのは一部の人だけ。やはり、ご飯ですよ。
D:確かにそれは言えますね。タイで日本食が好まれるのも、ご飯が共通の土俵にあるからではないでしょうか。
微笑みの国タイ。街を歩けば誰彼となく、笑顔で挨拶を返してくれる。それがタイ。人々は親切で、温かく、また来てみたくなる、心のふるさと。でも、実際に現地のタイの人たちがどんな暮らしをしているのかまではあまり知らない。新企画「タイの人々の暮らし」では、そんなタイ人家庭の様子や、ごく普通のタイ人がどんな暮らしをし、どんなことに関心を持っているのかを一話完結で紹介していく。