新企画「New Latitude Wine(新緯度帯ワイン)の魅力」
ワインの産地としてよく挙げられるのが、「旧世界」と「新世界」という2つのエリア。
旧世界いわゆる「オールドワールド」が、伝統的なワインの産地であるフランスやイタリアなどの南欧州を指すのに対し、新世界とは近代になってワインの産地として台頭した米カリフォルニア、チリ、豪州などの新興国をいう。
ここに近年、新たに加わったのが、「New Latitude Wine(新緯度帯ワイン)」と呼ばれる産地。北緯・南緯ともに30~50度が最適な緯度帯とされてきたワイン醸造。この“常識”を覆したワイン造りが、北緯50度以北のオランダ、デンマーク、ポーランド、そして北緯13~15度のタイで始まり、こう呼ばれるようになった。
新企画では、新緯度帯ワインとして注目株筆頭のタイ産ワインを紹介していく。
—————————-
【Chateau De Brumes】(シャトー・ド・ブルム)生産地:カオヤイ
タイで栽培されたワイン用ブドウ品種「シラー」90%と、フランスから輸入された代表的な品種「カルベネ・ソーヴィニヨン」10%を原料としたフレンチスタイルの赤ワイン。南フランスの焼け付くような日射しを好むシラーが、タイの灼熱の気候にもマッチすることが分かり、シラー品種の栽培はタイではもはや定番となりつつある。
12ヶ月は樽で熟成。ブドウの皮から出る豊富なタンニンが独特の「渋み」を生み出し、ワイン通には欠かせない味を醸し出す。価格帯では、やや高級、上の下ほどに位置するシャトー・ド・ブルム。一度は飲んでみたい1本だ。
ソムリエ:Koji Hara からの一口ポイント
ほどよくタンニンが効いたこのワインには、ずばり、ビーフが合う。醸造地のカオヤイ地区にはチョクチャイ牧場があり、ここの牛肉ステーキは絶品で有名。牧場直送のTボーンステーキと合わせてみたい。
ソムリエ:Koji Hara
愛知県出身の42歳。2001年ごろからタイと関わるようになり、バンコクでワインバーを経営したことも。ソムリエのほか、日本酒の利き酒師の資格も持つ。HPアドレスは次のとおり。