どこまでも高く、蒼い空。澄みきったエメラルドブルーの広い海。バンコクから南南東に100キロ超。パタヤ特別市沖に浮かぶラン島をこのほど訪ねた。パタヤ・ウォーキングストリート外れの船着き場から出発する定期船。沖合に突き出た桟橋は幅員5メートルと狭く、船まで荷物を運ぶ車やバイク、乗船する乗客らでごった返している。
乗船口で待ちかまえている船員に30バーツを払い、船内へ。2階建ての造りは、湖などで見られるような遊覧船そのもの。午前中の便だったこともあって、観光客、地元の労働者ら多くの人で賑わっている。総勢200人といったところか。
船は海に浮かぶ水上レストラン脇を通ると、沖合を目指し順調に航行。しばらく進むと左右に小さな小島が見えた。40分は経ったろうか。眼前にラン島の山々が広がってきた。
思った以上に起伏に富んだ島。あまり開発が進んでいないとみえ、ビーチのところどころにトタン張りの低い土産店などが見えるほかは、いくつかの山々の中腹に観光ホテルが建つだけ。もっとも、その観光ホテル。1泊数万バーツと目の飛び出るような値段の部屋もあるとか。
ラン島の桟橋は、最大のビーチから500メートルほど離れた場所にこぢんまりとあった。一斉に船を下りる乗客たち。目指すビーチまでは、もうすぐ。自然と早足に。
浜辺のパラソル、そして林立する土産店、飲食店は日本でいう、まさに海の家。ビーチに並ぶパラソルと椅子は形状、位置などから値段が異なり、最も安価なもので4時間一人30バーツ。ちょっとしたテーブルもあり、ここで飲食も可能だ。
浜辺に立ってみた。爽やかな風が心地よい。日射しは強いが、足下の砂はあまり熱を持っていない。すくってみると、サラサラと両手の隙間からこぼれ落ちるほど。貝や珊瑚が細かく砕けた砂。柔らかな明るい茶褐色をしている。
遠浅の浜辺。あちらこちらで、思い思いに観光客らが波の間を漂っている。穏やかな波。透き通るような碧い水。都会の喧噪を忘れるには余りあるほどだった。
午後4時。一斉に観光客らは桟橋を目指す。名残惜しそうに、デッキに立つ乗客たち。船は再び40分の航路を経て、パタヤの桟橋に着いた。
【メモ】
バンコクからパタヤへはバスが便利。BTSエカマイ駅近くのバスターミナルから、ほぼ30分おきに大型バスが発車。片道113バーツ。パタヤのバスターミナルに到着、ピックアップトラックを改良した「ソンテウ」に乗り換え、15分でパタヤ市街地に着く。一人20~100バーツ(乗車する客数により値段が異なる)。もしくは、バンコク・戦勝記念塔近くのマイクロバス乗り場から向かう方法もある。こちらは100バーツ。パタヤ市街地まで直行。市街地のホテルは800~4000バーツとさまざま。