「日ごろの勉強疲れから解放されて、心ゆくまでカラオケを楽しんでほしいと思っています」
タイの名門チュラロンコーン大学文学部で24日、恒例の「日本語カラオケ大会」が開催された。エントリーされた16の個人とチームが参加、自慢の喉を競い、会場は大いに沸いた。
文学部東洋言語学科日本語専攻の学生らを中心とした「日本語クラブ」の主催。15年以上前に始まり、5年ほど前からは毎年この時期に開かれている。今では、3年毎に開催される学園祭と並ぶほどの人気大会に。会場には他学部からも含め150人を超える観客が集まった。
「かつては機材が揃わず、自前でCDを持ち込むなどして行っていました」と顧問のアサダーユット先生。この日はひな壇に、スポットライト、音楽専用のミキサーまで登場する本格的な催しとなった。
参加者らはエントリーした日本のポップスなどを次々に熱唱。伊藤由奈のデビュー曲「ENDLESS STORY」や、雨先案内人の「おひさま」、川上ジュリア(JURIAN BEAT CRISIS)の「ずっとここから」など知った曲が登場すると、盛んに声援を贈っていた。
審査委員長を務めた岩井茂樹先生は式辞で「一年で一番楽しいイベント。教室と違う皆さんの表情を見ることができ、とても嬉しく思います。授業もこれくらい盛り上がってくれるといいですね」と挨拶。日ごろの教え子たちが楽しむ様子に目を細めていた。
大会は、審査員の審査結果をもとに「美しい声」部門と「面白い」部門から優れた個人とチームを選抜するほか、参加者全員の投票から最優秀賞を選ぶ仕組み。
今年の投票による最優秀賞は、中国語専攻の4年生ウィラットさんが選ばれた。身長1メートル70ほどのガッシリとした体格の男子学生。白と水色地の浴衣にピンク色の帯をまとい、化粧にカツラをつけて登場したウィラットさん。熱唱したのは、美空ひばりの「長崎の蝶々さん」だった。
受賞者には、図書券やカラオケ利用券などが贈られた。
タイの大学では現在、前期授業後の束の間の休息期間。9月に入ると一斉に前期試験に突入するといい、まさに「今がひと時の楽しみ」(アサダーユット先生)。
実行委員長を務めた日本語専攻の4年生チャダトーンさんは「他学部と同様に文学部も勉強が厳しく、学生は日ごろから相当なストレスを溜めています。1年に1回のカラオケ大会。一緒に心ゆくまで楽しんで欲しいと思っています」と話していた。
チュラロンコーン大学カラオケ大会ミニアルバム:
bit.ly/chulalongkornkaraoke