アングル
角度を変えてタイからアジアを覗く

タイ政府と反政府の衝突とタイの今後の見通し

タイ政府は、バンコク全域に警官を配置して空港など重要施設の警備を強化。5日前にはデモを主導している民主党のステープ元副首相に逮捕状を出すなどして、反政府勢力を牽制していた。しかし、先日、死傷者が出たことから急遽政府とのトップ会談が実現…

主張を続ける両勢力のトップの思いと、今後タイとは?

タイ政府はテレビ・メディアにも事実を報道させない事も多いため、全ての報道が事実だとは限らないが、数日前のインラック首相の発言とは裏腹に今タイ王国はどよめきはじめている。

遂に始まってしまった政府と反政府との衝突

30日未明、タイ政府側と反政府側のデモ隊と大きな衝突があり、その様子をラジコンヘリで空撮した映像も公開された。

数日前は閑散としていた首相府エリアに、民主記念塔で集会を開いていた反政府デモ隊が突入。石や空き瓶を投げる反政府デモ隊へ対し、機動隊が催涙弾などで応戦する様子が映されている。

数日前までは武力行使を断固として貫いていた政府だが、反政府デモの動きが大きくなり、現実的に武力行使せざるを得ない状態に。

政府側、反政府側のトップ会談の行く末とは・・

政府との衝突で3名が死亡する事態に発展したことで、12月1日の夜に政府と反政府側のトップによる会談が実現。

会談後の記者会見では、ステープ氏(元副首相)は「デモ活動の中止について一切の譲歩をしていない。もちろん妥協案も示していない。」と取材陣に答えた。

また、同会談では2つの大きなトピックとして “現首相の辞任” “下院の解散の2つの要求” を再度インラック首相本人に伝えた上、さらに「これらの条件は2日間を期限とする最後通牒」と強調した。

事態収束の頼りだったトップ会談は、反政府の主張を改めて伝えるだけの場となってしまった。

首相辞任を強く主張するステープ氏
首相辞任を強く主張するステープ氏

その後、ステープ氏は大衆の場で改めてインラック首相の退陣期限を12月3日と宣言し、現政府職員に対して2日にストを行うよう呼びかけた。

12月3日がもたらす意味とは?

12月3日はタイ国王の誕生日の前々日(12月5日)。タイ国民の象徴とされる国王の誕生日までに、事態を収束するという意味合いは、政府、そして反政府側に対してどのような動きもたらすのか、引き続き両者の駆け引きが注目されている。

先月のチェンワッタナーのGovernment Complex
先月のチェンワッタナーのGovernment Complex

なお、タイの各ローカルメディアは、今回の会談の実現と国王の誕生日によって事態は少しずつ収束に向かうとの見解もあるが、ステープ氏本人がいまだ強い主張を繰り返しているため、さらに事態が悪化する可能性もある。

日系企業や日系イベントにも影響!?

今回のデモによる一連の騒動で、予定されていた日系のイベント行事も次々と中止発表、一部のショッピングモールや飲食店なども早くお店を閉めるなど、バンコクの日系企業にも少しずつ影響が出始めている。

ビザの延長や90日ごとの居住地報告などを担当するタイ警察入国管理課は、チェンワッタナー通りの政府総合庁舎(Government Complex)がデモ隊に占拠されたため通常業務を行えず、バンコク都内ラープラーオ通りにあるインペリアルワールド・ラープラーオの5階の仮設事務所で午前10時半から午後6時半まで業務を行った。

日本のメディアでは「現地日本人社会にも大きな影響」という言葉が飛び交っているもの、現在開催中のモーターエキスポなどはデモ活動地域から離れているため、イベントは通常通り開催されている。

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