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バンコクいい店やれる店~独自の素材と味付けで発達した和風パスタ。日本食ブームの一翼を担えるか~

和風パスタ

かなり昔のこと、子供の頃の話だけど、新宿の紀伊国屋書店の地下に「トキワ」ってスパゲティ屋があって、子供心に憧れてたお店だった。カウンター席しかなかったとっても小さい店舗だったけど、カレーの「中村屋」や「高野フルーツパーラー」に連れてってもらうより嬉しいお店。新宿に行ったらぜひ行っておきたいスイートスポットだった。

なぜなら、その頃の東京ではスパゲッティというとミートソースとナポリタンが定番。それら以外のスパゲティを食べるには西麻布の「キャンティ」や六本木の「ニコラス」のように、子供にとっては特別な場所に行かないとありつけなかった。駒沢公園の「ブイトーニ」とか環八高井戸の「ラブラドール」にはあったはず、でも残念ながら思い出せない。

でも、「トキワ」には焦げ目のついた麺が香ばしい醤油ベースのスパゲティ、くり抜いた木の器で混ぜ合わせるタラコスパゲティといった他では食べられない”不思議な”メニューが盛沢山。 「トキワ」に通うたびにカルボナーラやバジリコさえも知らない子供が和風パスタの虜になっていた。

そんな日本人に親しみのある和風パスタ。バンコクでも、結構色々なお店で食べられるようになってきた。「五右衛門」や「壁の穴」や「ハシヤ」のような日本発のチェーン店の進出はまだない。でも、日本人経営、タイ人経営の和風パスタをメニューに並べるお店が様々な工夫をこらして競い合っている。

和伊蔵

和食の「和」とイタリアンの「伊」を店名にして和伊蔵。メニューは和風のパスタというより日式イタリアンな感じのラインアップ。オープンは今年の8月。日本人が経営する日式イタリンということで、すでに駐妻関係にはかなりの人気店になっている。同じJアヴェニューに入居している老舗の「Sonnie’s」や元祖駐妻御用達の「My Porch」にはかなりの脅威になっているらしい。

このメニューは「和風柚子コショーのチキンパスタ」。かすかに香る柚子胡椒(メニューに書かれていないと気が付かないかもしれない)が和風のようだが、アッサリ薄味のスパゲッティ。麺は歯ごたえのあるアルデンテでちゃんとイタリンしている。

PASTA de WARAKU

シンガポールから進出してきた和風パスタを看板に掲げるお店。2011年の12月にセントラルラマ9に1号店がオープンして、今年の5月にセントラルワールドに2号店がオープン。シンガポールの資本が強力なのか、2店とも良いロケーションに巨大なスペースを確保している。

和風パスタの王道とも言える「たらこパスタ」をオーダーしたが、麺は茹で置き、たらこは火が通りすぎてカラカラ。全体的にパサついた感じの仕上がり。旨みのある味付けの努力の跡が感じられるけど、仕上げがこれでは全て台無し。日本人もタイ人もバンコクに住む人間は舌が肥えてきているのでこれでは厳しい。

Kobashi

エカマイゲートウェイの1階に今年の10月にオープンした和風スパゲティの店「Kobashi Tokyo Pasta」。どうやら、香ばしいと読ませたいらしい。たぶん日本のロメスパにインスパイアされたタイ人が試行錯誤してメニューを考えたのではないかと思われる。

画像の一品は「めん醤油スパゲティー」と言う名のメニュー。名前からしてわかったようなわかってないような感じが伝わってくる。麺や具に焼き色がついていて確かに焼きスパになっている。味付けも醤油ベースで和風な味がする。量的にはタイ人向けにかなり少なめだけど、そこそこ焼きスパが再現されている言えなくもない。

My Porch

いまや駐妻ランチのメッカと化した「My Porch」。ここも「和伊蔵」と同じように日式イタリアンと呼んだほうがいいようなメニュー構成。明太子スパやナポリタンといった日本独特のパスタメニューもあるが、中心となるのは、洋食系が中心。こういうメニュー構成だからもちろん駐妻にも大人気。70年代の自由が丘にあった喫茶店のような昔風の内装も人気の秘訣かも。

和風を掲げたパスタメニューは週替わりメニューでも登場する。これは「チキンとキノコの和風バルサミコソーススパゲッティ」。バルサミコソースの香りが不思議と和風に仕上がっている。麺もちゃんとアルデンテに茹で上がっており、日本人の好みをよく理解していることを感じさせる。

Sonnie’s

「Sonnie’s」も日式イタリアンの老舗。日本人向けイタリアンと創作系寿司が中心のの大胆なメニュー構成ながら、日本人に大人気。最近では、タイ人のお客さんも増えてきており、ランチタイムは日本人駐妻とタイ人が半分半分くらいの割合。Jアヴェニューに今年出店した「和伊蔵」の影響は軽微なようだ。

画像のメニューは「ベーコンとキノコの醤油スパゲティ」。アルデンテのスパゲッティに醤油とベーコンから出た油分がちょうどよく調和した香ばしさが特徴の和風パスタの代表的な味わい。トッピングののりも微妙なアクセントとしてイイ感じ。

Outer Room

日本でレストランチェーンを展開するグローバルダイニング出身の日本人オーナーが経営する日本人向けの「カフェバー」。営業時間は夜のバー営業のみ。カフェバーと言ってもグローバルダイニング譲りなのか食事メニューの充実ぶりが半端じゃない。イタリアン、テクスメクスからタイ料理まで揃い、カフェめしの範疇を超えた品ぞろえ。

このメニューの中でも人気の和風パスタが「明太子スパゲッティ」。明太子を惜しげもなく使い、いい塩梅、火の通し加減も絶妙。バンコクで和風パスタを標榜するお店、明太子スパゲティをメニューに載せるお店はぜひここを参考にしてもらいたいと思う。

CoCo壱番屋

「CoCo壱番屋」と言えば、カレーライス専門店だけど、タイではカレーだけでなく、オムライスやスパゲティもメニューに加わる。ここのスパゲティは”バンコクいい店やれる店 ~謹賀新年!…おせちもいいけど、日本人としてはやっぱアレでしょう~“の回で、紹介したようにナポリタンがイチオシ。しかし、ナポだけじゃなく「和風きのこスパゲッティ」というメニューも侮れない。

バターと醤油という和洋のゴールデンコンビが奏でる香ばしさがキノコの風味を引き立て、思わず食欲が掻きむしられる。これにパルメザンチーズを掛ければ、まさに鉄板。麺はアルデンテとは程遠い茹で置きの麺だけど、焼きスパとして考えれば、妙にモッチリ感が感じられる。

夢見屋

「夢見屋」はわが青春の思い出「イタリアン・トマト」が経営する和風パスタ専門店。3年前に伊勢丹バンコクの6階「ごちそう通り」の一角に日航系の商社「JALUX」の経営で出店。メニューは和風とイタリアンなスパゲティーが半々くらいの割合。お客さんは、日本人とタイ人がやはり半々で、場所柄か旅行者風のファランも見かける。

画像は「キノコの和風醤油風味スパゲティ」と言う名のメニュー。見ての通りスープパスタに仕上がってる。個人的にはラーメンのつけ麺とスパゲッティのスープパスタはNGなので、ちょっと残念だったが、醤油の香りとしっかり味が絡みついた麺は悪くない。

The UCC Oriental

言わずと知れた日本の「UCC上島珈琲」のタイ法人が経営する日本式の喫茶店。2001年以来、UCCはサハグループの一員だけど、実はタイへは1983年の「そごう百貨店」のオープンとともに進出している。一時は30店舗のコーヒーショップを展開したが、現在はこのエカマイゲートウェイ店のみ。神戸に本社があることから「神戸の洋食」を掲げ、スパゲティだけでなくドリア、サンドイッチ、スイーツのメニューも充実している。

スパゲティはお約束のナポリタンやカルボナーラ。そしてこの「和風スパゲティ」をラインアップ。茹で過ぎ、茹で置きのフニャフニャな麺はアルデンテとは程遠い食感。焦げ目のついた麺を見ていると、塩ヤキソバか焼きうどんを思い出してしまう。焼きスパの一種として考えれば、味もイイ感じで絡んでいてこれはこれでアリかなと思えてくる。しかし、神戸の人はこういうスパゲティを好んで食べるんだろうか?

甚右衛門

2008年にタイ初の和風パスタ専門店としてMBK(マーブンクロン)にオープンした「甚右衛門」。その後、エスプラナードに2号店、ファッションアイランドに3号店をオープンしている。メニューは69Bからあってオープン当初はMBKに来るタイ人学生が行列を作る盛況ぶりだった。スクムヴィットソイ53には顧客層を日本人に絞り込んだ居酒屋風のレストラン「甚右衛門の隠れ家」がある。

看板メニューの「明太子といかの和風スパゲッティ」はジューシーな明太子が麺に絡んでなかなかの味。メニューにアルデンテへのこだわりを堂々と書くだけあり、歯ごたえのある麺の食感も好印象。

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Written by 亞速

亞速

官能都市「バンコク」の情景を現地からの画像を中心に...B級グルメ的な食い物ネタ多し...

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