in

バンコクの都心にある安らぎの憩いの場「バーンルアン運河」

バーンルアン運河
バーンルアン運河

大都会バンコクの忙しさから離れ、少しばかり休憩できる場所はないか? タイのスローライフを感じたい! と思った時に、私たちタイ人がよく足を伸ばすのがバンコクから1時間以上もかかる「アンパワー運河」。よくあるパターンではありますが、そこまで遠くにでかけなくても、意外とバンコクの都心にもガラッと変わった昔の生活をそのままにしてある「バンコクスローライフ」が隠れています。今回は、そんな場所を紹介します。

その隠れ家とは、バンコク都心部から西にチャオプラヤー川を少し渡り、トンブリ地区にあるチャランサニットワォン通りのソイ3番(小道の3番)にある「バーンルアン運河」、正式名称「バンコク・ヤイ運河」がそれ。ここが地元の人がよく知るバンコクの安らぎの場所です。

「バーンルアン水上マーケット」で有名なこの「バーンルアン運河」は、かつてチャオプラヤー川の一部でした。運河ができたのはアユタヤ王朝時代、チャイヤラーチャーティラート王(即位、仏歴2077年~2089年、西暦1534年~1546年)の時代です。今から約500年近く前のことです。実はこの運河は、もともと運河ではなく川であり、言ってみれば偶然にできあがった運河なのです。

チャイヤラーチャーティラート王は当時、タイを訪れていた西洋の外交官や商人たちが内陸の都市であるアユタヤとを行き来する際に時間を短縮できるようにと、より短時間で航行できるための水路を作ったところ、本流のチャオプラヤー川から水路に水が流れ込み川となり、川であった「バーンルアン運河」にあたる部分は運河になりました。一方、新しく川となったのは下図のとおり、「バンコクノイ運河」東端(現在のタマサート大学前の地点)から「バンコクヤイ運河」のやはり東端を結ぶ部分になります。

アユタヤ王朝から代わったトンブリー王朝時代、当時のタークシン王(即位、仏歴2310年~2325年、西暦1767年~1782)は、「バーンルアン運河」の両側にある土地を公務員(知事、長官なども含め)と貴族たちに、またよく働いてくれた中国人の貿易人たちにも土地を分け与え、この結果、運河沿いには住宅が立ち並ぶようになり、「水上村」が出来上がりました。

古い言葉ですが、タイ語では公務員のことを「カールアン」と言います。一方、村は「バーン」。運河は「クローン」。合わせて「クローン・バーン・カールアン」、これが「水上村」の呼び名となりました。ただ、発音するには長すぎたので、時代とともに名前がどんどん短くなってきて行き、今では「クローン・バーンルアン」と愛称で呼ばれます。正式名称は冒頭にも書いたように「クローン・バンコクヤイ」です(バンコクヤイは運河の周囲の土地の名前)。

ここだけは昔の時間にタイムマシーン

どれだけ時間が流れても、このバーンルアン運河の一帯はまるで時間が止まっているようです。住民の生活スタイル、庶民的な文化、早朝にお坊さんが小さな船を乗って托鉢してる日常が普通に見られ、貴重な文化遺産となっています。また運河の両側にある木製の家は、昔ならの作りで建てられてから約100年以上のものもあります。

運河に流れ込む水も汚れが少なく、奇麗に保られています。よく見ると魚がたくさん泳いでいるのが分かり、それだけ奇麗に保たれている証拠と言えるでしょう。昔から船の上で物を売ったりしていて、今でもそうした光景がよく見られます。売られている物も、全て付近の住民が自分たちで作った特徴ある物ばかり。

バンコクにある他の水上マーケットと比べたら、それほど賑わいがあるわけでもなく観光客向けではないかもしれません。しかし、もしあなたが静かに安らげる場所を探しているであれば、文化と自然のバランスがよく取れているこの場所は、まさにグッドプレース。ひとつの選択肢としてはいかがでしょうか?

運河の音とゆっくり流れる時間と安らかな休日

さらにより興味深い文化を楽しみたかったら、魅力的なもうひとつの場所があります。「バーンルアン運河」の入り口よりさらに奥に進んで行くと、「バーン・シンラピン」(アーティストの家という意味)というL字型の木製2階建てタイ式住宅を目にすることができます。

アユタヤ王朝時代から残る珍しい12角形のパゴダ(仏塔、通常は鐘の形のパゴダが多い)。「マニラスタイル」と呼ばれる昔ながらの木製の家。もともとは「ラック・サムルアージュ家」の住宅だったそうですが、その後、タイのアーティストグループがこの家を買い取って、アート作品の制作・展示用アトリエに改造し、今に至っています。

若手からベテランまでのアート作品、雑貨、写真、ポストカード等もこちらで購入することができます。自家焙煎のコーヒーと自家製のハーブティーも楽しむことができます。コーヒーやお茶を飲みながら、スローライフな雰囲気と両側にある運河の流れをゆっくりと眺めながら時間を過ごすのも、安らぎを求める休日としては最高でしょう。

また、「バーン・シンラピン」では、「カム・ナーイ劇団」が演じる操り人形を使った「ラーマーヤナ」を無料で堪能することができます。操り人形劇は、水曜日以外の毎日、午後2時に上演しています。

実はバンコク都心部からすぐ近くにあります

では、ここで「タラート・クローンバーンルアン」への行き方をご紹介!

徒歩の場合
●「ジャランサニットウォン通りのソイ3番(小道の3番)」に入って奥まで進み、運河にかかる橋が見えたら渡って降りたところすぐ左折、木製のバルコニーが見えると到着です。ちなみに「バーン・シンラピン」アーティストの家は、その木製バルコニー沿いに進み、さらに奥にあります。

車の場合
●「ペッチャカセーム通りのソイ28番の奥にある「クーハーサーワン寺」(วัดคูหาสวรรค์)に駐車場がありますので、そこに車が止められます。お寺から運河が見えますので運河沿い右側にある道路に進むと、「バーンルアン・ノイ橋」(สะพานบางหลวงน้อย)が左側にありますので、橋が見えたらまっすぐ進むと到着。
あるいは、
●「ペッチャカセーム通りのソイ20番の奥にある「カムペーン・バーンジャーク寺」(วัดกำแพงบางจาก)に車を止めることも可能です。ここのお寺は小さくて運河沿いにも黄檗の木があってとても静かな場所です。このお寺を左に曲がり、運河沿いの小さな道を進み、橋を渡って右側にある横道に入ると、「タラート・クローンバーンルアン」に渡る橋が見えますので、橋に渡る前に右側に入ると到着。

地図はここをクリック!
http://goo.gl/maps/kcOrw

ここのビンテージ風景は雰囲気だけではなく、食べ物もここしか食べられない昔ならではのローカル料理とお菓子も!次回、ご紹介します。お見逃しなく!
(文・写真:Guest Writer、MARVELLOUS)

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で

Written by Guest Writer

Guest Writer

タイを知る外部ライターが寄稿する「Guest Writer」のコーナー。驚きの新発見、タイ進出までの秘話、見聞録など、あらゆる角度からの投稿を掲載。
※anngleでは「Guest Writer」のコーナーへの投稿を常時募集しています。記事を書いてみようと思う方はコチラからどうぞ。

「アナタもヨガで自分を見つけて!」と話すヨガスタジオ経営、鈴木朋子さん

タイのヌードル(麺の種類)

タイの屋台の基礎知識 たくさんある麺の種類