そもそもタイリーグとは?
現在タイリーグは1部から4部までで構成されており、2019シーズンで1部が16チーム、2部が18チーム。3部はタイ全土を南北に分けて行われ14チームずつの合計28チーム。4部リーグは全国を6つの地域に分けた地域リーグとして運営され合計60チーム、1-4部の総数は122チームだ。
リーグの規定で1チームにつき何人の外国籍選手を登録できるかが決まっており、これを「外国人枠」と呼び、この中には「アジア枠」と呼ばれるアジア国籍選手の枠が用意されており、日本人選手達はこの枠で契約できるというアドバンデージもあり、これまで多くの日本人選手達がタイリーグでプレーしてきた。
日本人だからという理由で特別扱いされる時代は終わった
タイリーグはここ何年かの間に給与や環境面も含め大きな発展を見せ、東南アジア屈指のリーグへと成長している。以前であれば日本人というだけで特別な目で見られ、Jリーグでの経験があると言えば尊敬の眼差しを向けられていた。
しかし、今のタイリーグはスペインやイングランドプレミアリーグ、ブンデスリーガなど世界屈指のリーグでの実績を持つ選手や各国代表選手が在籍しているのも当たり前の光景となっている。「日本人」というだけで得られたアドバンテージはほとんどなくなっていると言えるだろう。
減少するタイリーグの日本人選手
2014シーズンには元日本代表経験者や大物Jリーガーがタイリーグクラブへ移籍し、ピークでは70名を越す日本人選手がタイリーグでプレーしていたが、2019シーズンを見れば40人程に減少している。
これにはリーグの外国人枠ルールの変化などにも影響されているが、日本の国内リーグやアジア枠を争うライバル国の選手達にも影響されている。
アジア枠を争うライバル達
日本国内ではJ3リーグが設置され、JFLやその下の地域リーグでもプロ契約で選手を獲得するチームが増え、日本国内の選手の受け皿は大きく広がっている。逆に日本とアジア枠を争う韓国やイランなどの国は自国リーグでの待遇が満足できるものではなく、能力の高い選手達が積極的に海外に活躍の場を求めている場合が多いのだ。
また、タイの近隣国であるラオスやカンボジア、ミャンマーなどのリーグに活躍の場を求める日本人選手も増え、タイリーグから選手が分散しているのも日本人選手が減少している理由の1つだろう。
最後に・・・
日本人選手がこれまでに比べて減っているという事実はあるものの、世界を見渡してもこれだけ多くの日本人選手がプロとして活躍しているリーグは他にはない。
世界中から多くの選手たちが活躍の場を求めてやってくるタイリーグ、2019シーズンは元日本代表の細貝萌やハーフナー・マイクの加入で注目を集めたが、2020シーズンはどんな日本人選手がプレーし、彼らがどんな活躍を見せてくれるのか、そしてタイリーグがどのように変化していくのか、今から楽しみである。