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タイでタイループ 「自然と共存する場所 北タイランド Northwest編」

チェンライ市街からまっすぐ北へとのびる幹線道路。この幹線道路から少し西側に入ると険しい山道が続いている。私のお気に入りの場所の一つ、メーサロンはこの山道を2時間ほど行った先に存在する。

中国雲南省近辺出身の中国国民党の残党が戦火に追われて、タイ、ミャンマー国境付近の山岳地帯に住み着いたのがメーサロンの始まり。初めてこの場所を訪れたとき、こんな急斜面の先に村があるのだろうかと思ってしまうような山奥だった。急勾配の坂道を上っていくと道の両脇には茶畑が見え始め、突然、中国語の看板や掲示板が目に飛び込んでくる。

村のメインストリートにはお茶屋さんが立ち並び、その裏庭では茶葉を加工している機械や茶葉を干している風景が広がっていた。今まで撮ったことのない光景にワクワクする。“今日はここに泊まらないという選択肢はないな”と確信し、早速宿を探した。

翌朝、標高1,400メートルの高地はさすがに寒かったけど、窓から見える霧がかった絶景を目にすると同時に眠気も吹っ飛んでしまった。気がつくと霧に包まれた茶畑を撮りながら朝市が開かれている方向に向かっていた。朝市の風景はまるで雲の中にある天空の街のようだった。中国系の人に混ざってひときわ目立つカラフルな衣装を纏った山岳民族も、自慢の品を並べて商売を始めていた。

どこに住んでも郷土の料理は懐かしいものなのだろう。こんな山奥でも本格的な中華料理を堪能することができる。中でも鶏ガラスープの雲南拉麺は胡椒のパンチが効いて何度食べても全く飽きない。道端で買った肉や野菜入りのホカホカの包子(パオズ)は撮り歩きのお供にピッタリだ。どれをとってもハズレなしの雲南料理。興味のある方は是非この天空の地で極上の体験をしてほしい。

タイ国内には中国から来た人々で作られた村が他にもあるようだ。メーサロンよりもさらに西側、ミャンマー国境に近い山奥の村、パーイにも中国村が存在している。ここでも例外なく茶店があり無料で試飲もできる。肩にかけていたカメラを下ろして干菓子と一緒にお茶を楽しむと旅の疲れが癒される。

下界へ下りるとき村人が総出で茶摘みをしていた。濃い緑色の茶畑に映える村人たちの写真は目に焼き付くほどヴィヴィッドだった。

01

メーサロンを後にし、さらに西へと向かう。真っ黄色なソンテウは我々を乗せて軽快にワインディングロードを走り抜ける。タートン、チェンダオ、メーリムを抜けるルートを選択し、夕暮れまでにチェンマイまで抜ける予定だ。チェンライとチェンマイは近いようで意外と遠い。南廻りの幹線道路を使ってしまえば3時間程度で着いてしまうが、あえてアップダウンの激しい山道をルートに選ぶ。

道中、山岳民族の村らしき集落が点在しているようで独特の衣装を身にまとった人々とふれあうことができた。彼らの多くはタイ語を話さないので言葉は通じなかったけれど、カメラを少し高く掲げ写真を撮ってもいい?とジェスチャーをすると、笑顔で応じてくれた。

02

途中、スコールに見舞われながらも順調に山越えをすることができ無事チェンマイに到着。チェンマイの街ももちろん魅力的だけれど、ここにたどり着くまでの大自然やそこに住む人々との出会いを体験してしまうと、意外にもチェンマイが普通のところに見えてしまった。

バンコクに戻ってもまたすぐに北タイランドを訪れたいという気持ちになるのは、手つかずの自然が恋しくなるだけではなく、そこに住んでいる人々の笑顔や心に魅了されてしまったからに他ならないと思う。言葉は通じないけれど撮影を通して心と心の距離を少しでも近づけることができる。写真も立派なコミュニケーション手段のひとつと感じた。今度は是非彼らと一緒に写真に収まろう。

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Written by Satoshi Kodama

Satoshi Kodama

2004年から仕事の関係で来タイし、現在に至る。一眼レフカメラで撮った写真の圧倒的な迫力に感動したことをきっかけに、写真撮影を趣味として始めるようになる。出かけることが大好きなので、今ではヒマさえあればカメラバッグを背負ってタイ国中を歩き回っている。好きな被写体は、タイ北部の壮大な自然。

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