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自然と共存する場所北タイランド2

タイ北部、ミャンマーとの国境にほど近いところに位置する地方都市チェンライ。チェンマイと並んで有名なところだが、なぜか日本人にとってのチェンライの知名度はチェンマイの陰に隠れてしまっているようだった。そんな私もチェンライを初めて訪れたのはごくごく最近だった。しかしながら、こんなにたくさんの被写体に出会えることができるなんて、現地に降り立つまでは全く想像すらできなかった。

チェンライ周辺はもっぱら農業中心でのどかな雰囲気に包まれているが、バンコク近辺では見かけることができないダイナミックに連なる山々と、どこまでも広がっていく景色に圧倒される。早朝、霧に包まれた山々が朝日で紅く輝き始める。肌寒く感じた朝の冷え込みでシャッターを切る指先にも緊張感が漂う。“さて、今日は何から撮っていこうか。”

山々と大空そして壮大に広がる田畑とは対照的に、ポツンポツンと建っている手作りのかわいい東屋が目に入った。東屋をアクセントにワイドに広がる自然を感じるままに風景を切り取り続ける。この東屋では農家の人々が休憩をしていたり、そのとなりに農作業車を停めてとれたての新鮮野菜を積み込んでいたりするシーンをよく見かけるが、私にとっては普段お目にかかれない希少なシャッターチャンスだ。

その後、チェンライ県の東に位置する急勾配の山々を抜けると急斜面一面にキャベツ畑が出現する。ここでは山の斜面でキャベツ栽培で生活している少数民族とふれあうことができた。カメラ片手に写真を撮ることよりも彼らとの会話に夢中になっている自分がそこにいた。

チェンライから1時間半ほど北上するともうミャンマーとの国境、メーサイに着く。タチレク(タチレイ)を散策するためにミャンマー側へ一時入国する。タイ側からの人やモノであふれかえっているタチレクは、まるで小さな器に大盛りに盛られたどんぶりのようだった。ファインダー越しに見える大盛りの被写体たちはタイでも見られたアイテムの数々だったけれど、ところどころに散らばるエキゾチックなミャンマー語のフォントが写欲をモリモリ湧かせてくれる。タチレクの街は土煙で霞んだ街並みが印象的だった。果たして視界がクリアになるのはいつになるのだろう。

チェンライから北東に進むとラオスとの国境の街、チェンコーンに着く。タイとラオスはメコン川で隔てられているが、小さい川なので木製の小舟ですぐに国境越えができてしまう。西日が眩しくなるころラオス側のフエサイと呼ばれる小さな街に上陸する。タイ国境に位置するメリットがあるのか、桟橋付近は建物が立ち並び賑わっていたが、道路がしっかりと整えられているのはこの辺りだけ。しかしそこから眺める夕日は格別にすばらしいものだった。

カメラに夕景の写真を収めることができたのはちょうどラオス側からタイ側へ戻る小舟の上だった。辺りは暗くなり始めていて、シャッタースピードに少し不安があったけれど、幸運にも穏やかに流れるメコン川の揺れはそれほど気にならなかった。まさにプライスレスなひとときを目と肌で感じ取る。

結局、その後1年の間になんと3回も撮影のためにチェンライを訪れることになる。次回の“タイでタイループ”は、北タイランドの西側、Northwest編もお付き合いいただければと思う。

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