在住歴が長いと色々な人の相談にのったり、友達経由で話を聞くことが多くあります。先日も在住歴が浅い人が「タイ人嫌いだし、タイ語ももう学ぶ気がなくなった。日本に帰ろうかな」と言ってるという話をあるところで聞き、なんとなく嫌な気持ちになってしまいました。

何故帰国するのか?

これは全くの私見ですが、現地採用で働く人たちの多くは1年、3年、5年、8年くらいで帰国を決意する人が多いように思います。下記は私自身そして私の周囲で見聞きした話をまとめたものですが、それぞれの年数で帰国していく人たちにはこんなケースがありました。

1年目に帰国する人:タイでの生活=海外生活が全く合わなかったパターン

3年目に帰国する人: タイでの生活が合わないと思いつつも、次の転職を考えて「3年は我慢」という気持ちで頑張るものの、最終的には「タイが嫌いになる前に」と帰っていくパターン

5年目に帰国する人:タイでの生活はまだがんばれたかもしれないけれど、仕事上での壁にぶち当たって燃え尽きたパターン

8年目に帰国する人:仕事でもそれなりの経験をしていて、年齢もそれなりになってきたので結婚や家族の問題などを考慮して帰国するパターン

逆に10年を越えて暮らしている人というのは同じ会社に長く勤めていてそれなりのポジションに収まっていたり、会社を興したり、タイで家族を持ったりと、根を下ろす方向にシフトしている人が多いようです。ここまでくると「タイ人」やタイの国との付き合い方もそれなりにわかっていますし、毎年のように入れ替わる日本人だけでなく、タイ人ともそれなりに付き合っていてタイ生活での有益な情報ネットワークを持っていたりします。

素敵海外生活の実態

「タイで仕事をしながら暮らす」ことに対して「あこがれの海外生活!」「日本よりもいい暮らし!」「みんなが羨む海外暮らし!」と張り切って来る人がいるようですが、実際には、日本語を母語とせず、文化や受けてきた教育・宗教的背景の異なる人たちと、日本語ではない言語を介して暮らすという現実があります。人間関係づくりや、言語の習得などは誰かが助けてくれるものでもありませんし、タイで生活していく上で最も基本になる考え方が「素敵な海外生活」では、現実とのギャップに苦しむだけです。

憧れるのは勝手。でも現実には「生活」しなくちゃいけないのが海外生活。

仕事のことだけを切り取っても、日本と同じレベルの仕事をしてあたり前。それを言語・文化・教育・宗教などの背景を異なる人たちとともに築き上げていくというのが必要とされているわけで、「私の言うことを聞いてくれない」「私のいうことをわかってくれない」と怒ったり、あげくに「タイ人はダメだ」というのはお門違いというもの。こういうところで躓くと、前述した「タイ人嫌い」という発言につながっていくわけですが、そもそもタイという国は彼らのものです。私達は仮住まいさせてもらっているのに、そんなことを堂々というほうがどうかしています。

在住歴が長い友人たちとこういった話をしていると、「ここはタイだからねぇ」「タイ人嫌いなら帰ればいいよね、帰るところあるんだから」と言う話になります。

長く暮らしていくために

どこで暮らそうが、嫌な事を言う人・する人はいるもの。思い通りにならないのは、日本だろうとどこだろうと同じ。海外にいる以上、タイだろうがシンガポールだろうがドイツだろうがアメリカだろうが、自分が求められる役割と求められる仕事の質を考え、それにあわせて仕事をするのは同じです。それがうまくいかないのを「タイ人だから」と言いきってしまっていいのでしょうか。

問題が起きたときに「タイだから」「タイ人だから」と一般化せず、当事者同士の問題に落とし込めるのかどうかは、海外で長く暮らしていくための大事なポイントではないかと思います。「タイ人が悪い」とか「タイ人は○○だから」と決めつけてしまうことは、自分で自分の首を絞めるようなもの。せっかくのご縁で始まったタイ生活を長く楽しく続けていけるよう、少しだけタイの人たちとの接し方や自分の身の置き方を考えてほしいと思います。

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