タイ人のための日本のお弁当入門講座をスタートさせる鍋谷しえさん

タイで働く女性たち

煮崩れない大根に形良い卵焼き

自宅にタイ人のお母さん仲間を招き、料理を教えるようになったのがちょうど3年前。最初に紹介したメニューは冬の日本食の定番「おでん」だった。

煮崩れず、煮汁の味が見事なまでに浸透した大根。母親らは「お弁当のおかずにもなる。どうしたら崩れずにこんなに美味しくできるのか」などと質問を繰り返しながら、盛んに舌鼓を打っていた。

別の母親は、弁当箱にきちんと収納できるよう、形の整った卵焼きにすっかり感心した様子。「私もこんな卵焼きを作って、子供のお弁当に持たせたい」

色とりどりの弁当文化とは無縁だった

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食糧の豊かなタイで、日本の家庭にあるような色とりどりの弁当文化は無縁の存在だった。無数にある屋台で、暖かく新鮮なものを安価で手にすることができる。あえて弁当を作る必要もなかった。

それが今、タイ人の母親ら女性の間で、日本の家庭の味や色彩豊かな弁当を作って自分の子供や夫、恋人に持たそうという取り組みが進んでいる。

地元の書店に行けば、そうしたレシピを紹介するタイ語の料理本が山積みとなり、盛んに若いタイ人女性らが買い求めていくという。

「お弁当なんかで悲しい思いをするなんて!」

少し前まで、タイ人の母親が必要に迫られて作る弁当は、あまり評判がよくなかった。日本人学校に通うタイ人の母親を持つ生徒たちからも「茶色一色。友達の弁当はカラフルでうらやましい。自分のお母さんにも頑張ってほしい」の声があった。

こうした声に押されて始まったのが、鍋谷さんたちの取り組みだった。「お弁当なんかで悲しい思いをするなんて!」。友達の母親を招いての〝にわか講習会〟は回を重ねるにつれ参加者も増え、口コミで広まっていった。

そして、とうとう来週4月28日から始まるのが、「タイ人のための日本のお弁当入門講座」。構想から3年。「日本の食文化やお弁当に興味のある人あつまれ!」。現在、最後の準備に追われている。

「食育のあり方を伝えたい!」

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講座は午前(10時~12時半)と午後(2時~4時半)の2部制。午前の部で弁当作りの基礎を教え、午後の部でキャラクター弁当の奥義を紹介する。

タイ人の日本留学支援を目的に今年2月、バンコク・エカマイにオープンした喫茶店「J-cafe」が、趣旨に賛同してキッチンを無償提供する。参加費はエプロンや弁当箱代込で1人1000バーツ。まだ、若干の余裕があるという。

主催者の鍋谷さんは、「お弁当作りは全然、難しくない!ニッポンの豊かなお弁当文化を通じて、タイ人の母親たちに少しでも食育のあり方を伝えられれば」と話している。問い合わせは、鍋谷さん081(733)2018まで。

タイで在留届を提出済の日本人は最新の2012年統計で約5万人。企業などの駐在員や永住者、その家族などが多くを占め、滞在する男性の多くが仕事を持って暮らしている。女性についてはビザの関係から就労が難しいと一般的に理解されているが、実は「働く」女性は決して少なくない。新企画「タイで働く女性たち」では、タイで仕事やボランティア活動などに就き、活躍する女性たちを追う。

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