海外に出て「食育」の大切さを痛感したと話す食育マイスター、田中瑞恵さん

タイで働く女性たち

「家族の健康管理は私の務め」

食育マイスターにJr.野菜ソムリエ、ベジフルビューティーアドバイザーなどの資格を持つ田中瑞恵さんは、11歳と9歳の2児の母。10年前、夫の仕事の関係でインドネシアのジャカルタに赴任。「子育て」に困ったことが、「食育」の大切さを知るきっかけとなった。

すでにインターネットはあったとはいえ、今より情報量も少なく、現地の食品に対する不安が自分を過敏にさせた。「農薬はどういうものが使われているのだろう?」「離乳食向けに安心安全な食材って何?」。乳児の世話をしながら、手探りの状態が続いた。

ならば自分で知識を得ようと発想を換えた。掃除と洗濯をメイドさんに任せる分、自分は子供たちと夫の健康管理のために食事は完璧にこなしたい。そう強く思うようになった。

入門セミナーが大好評!

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5年前からバンコク暮らしとなったが、食への不安は引き続きあった。長女はバンコクに来てから体重が増えるようになった。夫も体調を崩しやすくなった。

Jr.野菜ソムリエの資格を取り、有資格者で作るコミュニティに参加。他の資格の勉強を続けるとともに情報交換に励み、仲間とともにセミナーを開いて講師も務めるようになった。

昨年6月と今年2月には、それぞれ、タイの野菜と果物をテーマとしたセミナーを野菜ソムリエメンバーと開催。野菜10種類、果物6種類の品目ごとに、効能や調理法、保存法などをタイ初心者らに判りやすく解説、好評を得た。終了後、「定番化できるね」と話し合った。

「自分の子供には同じ思いはさせたくない…」

もともと子供のころから「食」に対する関心は人一倍あった。小学校4年生の時には一人でカレーライスやサンドイッチを作り、家族を喜ばせた。成人し、仕事に就いてからも料理教室に通うなど、「食」へのこだわりは続いた。

海外に赴任し、子供が生まれ、想いは「健康」につながるようになった。「食」と「健康」。遠く日本を離れているからこそ、自分がしっかり家族を支えなければならないと感じる。

帰国子女だったかつての同僚が「俺はメイドに育てられたんだ」と口にしていたことを覚えている。「母の味」「母の愛」を知らないと言っていた元同僚。自分の子供には同じ思いはさせたくないと思っている。

子供の「好き嫌い」には工夫で勝負!

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最近、塾に通う息子が夜食用に持たせた弁当を嫌がるようになって困っている。聞くと、「僕のだけ、友達と違うおかずが入っている」という。

なるほど、友達の弁当のおかずは、ウインナーにから揚げ、定番の卵焼き…。一方、息子に持たせた弁当には、高野豆腐の煮物、野菜の胡麻和え、酢の物…。子供に多い野菜の好き嫌い。「おかずの交換」ができないのだという。

「でも、諦めるには早すぎる」と田中さん。卵焼きには刻んだ野菜を入れる、焼肉には野菜を巻くなど、今日も一工夫、息子に弁当を持たせた。「嫌がるものでも、少し工夫するだけで、食べてくれるようになります」

自分で研究したレシピやワンポイントアドバイスは、フリーペーパーなどに広く投稿、無償で提供している。3月からは週に1回、日系ラジオのレギュラー番組を持つことにもなった。当分、忙しい日々が続きそうだ。

タイで在留届を提出済の日本人は最新の2012年統計で約5万人。企業などの駐在員や永住者、その家族などが多くを占め、滞在する男性の多くが仕事を持って暮らしている。女性についてはビザの関係から就労が難しいと一般的に理解されているが、実は「働く」女性は決して少なくない。新企画「タイで働く女性たち」では、タイで仕事やボランティア活動などに就き、活躍する女性たちを追う。

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