日本人の飲食店開業をサポートしたいと瞳を輝かせる浪速っ娘、近藤かおりさん

タイで働く女性たち

「え、あのラーメン店の女将、落とせたのか?」

私、タイ来てまだ少ししか仕事してへんのに、そんなに褒められたら恥ずかしいですよ。たまたまタイで、専門的に食の販促を仕事にしている人が少なかっただけのことと違いますか?」

はっきりとした口調ながらも、生粋の大阪弁で穏やかに話す姿が眩しい。大阪は東大阪市の出身。短大卒業後、リース会社やIT関連企業で営業の経験を積み、7年前に現在の勤務先、飲食店の販促活動をサポートする「WINGOOD」に入社した。

昨年9月からタイ法人の初代代表を務める。初めてのタイ。知らないことばかり。ところが、未知の土地ながらも次々と顧客を開拓。来タイ5ヵ月目にして、名前も知られるようになった。「え、あのラーメン店の女将、落とせたのか?」。つい先日も、こんな噂話が業界に広がった。

頼み込んで探した通訳兼秘書

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昨年6月、社長から直接電話があり、「タイ、ええで。お前、行かへん?」。当時は東京支社勤務2年目。ようやく顧客開拓ができるようになった最中、「いいですけど…」と少しばかり渋っても見せたが、断らないのが自分流。ただ、会社の設立から全てを一人でこなさなくてはならない。

引き継ぎだけで2ヶ月を要し、来月にはいよいよ渡航という時、遅々として準備が進んでいないのを見かねた社長から雷を落とされた。困り果てて、東京にあるタイ語学校の先生に相談。「誰か日本語の話せるタイ人を紹介してくれませんか」。こうして出会ったのが、現秘書でもあるグラフさん。

大手航空会社の元客室乗務員。日本語に英語に堪能で、理解も早い。今では欠かすことのできない右腕的存在。「グラフさんがいなかったら、どうなっていただろうと思うだけで鳥肌もんですよ」。失敗を失敗談にしないから話が面白い。

「この人や!」が私流

これまで新規開拓を会社の中で誰よりも実践してきたという自負がある。人を見る目だけはあると思っている。「この人やー!って直感なんですけどね。それが結果につながっているだけかも」。謙遜するが、確かな自信は揺ぎがない。

7年前。履歴書を持って門を叩いた勤務先は誕生間もなく、社員も5人しかいなかった。ビルとビルの谷間の木造住宅。1階が麻雀店の2階が事務所。床は斜めに傾いていた。

でも、妙にワクワクした。何よりも、面接をしてくれた社長が野性的に見えた。「うちの会社、飲食店のメニューブックやチラシを作ってんねん!」。会社全体に熱気がみなぎっていた。

実は会社では男性社員の採用を予定していた。だが、面接を経て、社長が推すのは一にも二にも近藤さん。「あの子、絶対やってくれるでぇ」。最後は社長の「人を見る目」に賭けてみることに。間違ってはいなかった。

「やっぱり飲食業が好き!」

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学生時代から飲食店でアルバイト。オープニングスタッフとして一つの店を創っていく楽しさを味わった。短大を卒業後、いったんは別の仕事に就いてみたが、「やっぱり飲食業が好き!」と原点回帰。これまで1000以上の飲食店の販促活動に関わってきた。

タイで営業実績が上がってきたと言っても、まだ始まったばかり。人脈もこれから作らないといけない。「今はしんどくても、あまりお金が入ってこなくても、まずは会社の名前が売れるようにがんばりたい」

タイに進出しようと考える日系飲食店の開業支援を事業化していくことが今の夢。「本社と協力して日本とタイでの総合サポートを実現していきたい」と話す。これだけ日本人が多く、これだけ好景気が続くタイ。成功のチャンスは山ほどあると思っている。「これからが本番です」と、はにかむ笑顔がまた素敵だ。

タイで在留届を提出済の日本人は最新の2012年統計で約5万人。企業などの駐在員や永住者、その家族などが多くを占め、滞在する男性の多くが仕事を持って暮らしている。女性についてはビザの関係から就労が難しいと一般的に理解されているが、実は「働く」女性は決して少なくない。新企画「タイで働く女性たち」では、タイで仕事やボランティア活動などに就き、活躍する女性たちを追う。

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