新南ラオス紀行【第7回】-猛々しい「父」なるメコン-

小堀晋一の Mai Pen Rai

その音が水の音であることは、かなり手前から分かっていた。「滝がある」と教えてくれたのは、土産物屋のおかみさん。一刻も早く目にしたいという衝動に駆られていた。

ゴッー。視界が開けた先に姿を現したのは、隆起した巨大な岩肌を縫うように流れるメコン川だった。「これが、あの穏やかな流れのメコン?」。言葉がなかった。形容のしようがなかった。

違う角度から眺めてみたが、その雄々しさに見合う言葉が見つからなかった。ついさっきまで「母なるメコン」と呼んでいたあの大河が、ここでは猛々しい「父」となって岩肌にぶつかり、激しい波しぶきを上げていた。

おそらく地殻変動であろう。遥か昔、隆起した岩山。そこに流れ込んだメコンの水。気が遠くなるほどの時間を費やし、岩を削り、荒々しい姿に形を変えた。水の流れもまた、岩山の谷を流れる急峻な川となり、滝となった。

いくつもの水の流れが、分岐と合流を繰り返しながら、まるで九つの頭を持つ龍のようになって川下に向かっていく。壮絶なまでのスケール。もはや言葉は不要だった。

ふと川下で人影が見えた。眼を凝らしてみると、魚を捕っているではないか。竹や葦とみられる材料で編まれた手作りの仕掛け。これなら小魚を一網打尽にできる。天然のいけすにも思えた。

帰路、教えてくれた土産物屋のおかみさんの店に顔を出した。「どうだった?」と聞いてくるが、何とも表現のしようがない。両手を大きく広げて、とにかく驚きだけを伝えた。すると、おかみさん。「向こうには、もっと大きな滝がある」。自然と足が速まった。

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