“あの人、タイ化しちゃったね”
長く暮らしていると、同じ日本人に対して「あの人、タイ化しちゃったね」なんていう言葉を聞くことがあります。時間にルーズだったり、物事の捉え方がちょっとずれていたり、ビジネスマナーが欠けていたり、仕事に対する考え方が“ゆるい”とみなされた場合などに聞くことが多い言葉です。
たしかに「うーん、これはタイ特有かもな」と思うことはあります。例えば、雨季になると職場では遅刻や病欠の割合が高くなります。天候不順のせいで体調を崩す人が多いこともありますが、タイでは頭が雨に濡れると風邪をひく、と信じられているので、これは体調管理のひとつの手段ともいえます。
また、大雨により交通機関が文字通り麻痺するのはどうしようもありません。「時間にルーズ」とはいってもタイの価値観でもありますし、ビジネスマナーについても日本人の好むものを知らないだけだったりするので、私自身は「タイ化」という言葉はあまり使わないようにしています。
“タイの渋滞は仕方ないよね”
一方、日本人で時間にルーズだったり、日本式のマナーに欠ける人というのは確かに存在しています。バンコクの渋滞を逆手にとり、必ずといっていいほど遅刻するような人や、打ち合わせに来て延々と仕事以外の話をする人、ゴルフや食事会のお誘いだけは喜々として行うものの肝心の仕事の連絡がない人…などなど。彼らは自分でも「タイの渋滞は仕方ないよね」「タイにいるとお誘いが多くてね」などという言い訳を用意していたりします。
「渋滞が原因で遅刻する」というのは日本人であろうとタイ人であろうと同じことなのですが、受け取る側の気持ちは大きく異なります。それは何故でしょうか?
これはお互いが日本人であること、そして相手にそれなりの責任と立場・決定権の有無で感じ方は大きく変わるようです。相手が決定権も責任もない立場であれば、「ルーズな人だな」とつきあい方を変えたり、その人の上司にクレームをして担当を変えてもらうなりの回避方法があります。ですが、これが管理職もしくは経営者の場合は厄介です。こちらは渋滞を想定して動いていても、相手が時間を守ることに努力をしてくれなければ場合によっては2時間3時間も待たされることになります。
さて、あなたがおつきあいしている人はどのようなタイプですか?現地採用であろうと、駐在員であろうと、「周りも遅刻してるからいいや~」とか「名刺持ってないや~、まぁいっか~」というような人がいたら要注意。
「タイ化」とは言いませんが、「だらしない人」として心の中のブラックリストに入れておいていいなー、と思っています。
私のブラックリスト、そこそこありますよ。