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タイ3冠王者とJクラブが激突!TOYOTA PREMIER CUP2011

ブリーラム・ユナイテッドvsベガルタ仙台

バンコク都心部に位置するスパチャラサイ国立競技場で2月18日、トヨタプレミアカップ2011が開催された。タイサッカー界の3大タイトルの一つであるトヨタリーグカップの覇者と、Jリーグからの招待チームが激突するタイトルマッチ。2011年度のトヨタリーグカップの延長上のタイトルであるため、大会名も「2011」と冠されている。

昨年に続く2回目の開催となった今大会、Jリーグから招待されたのはベガルタ仙台。「昨年、津波の被害を受けた日本と、洪水の被害を受けたタイ。これを機にお互いの国のいい関係を作っていければと、仙台を招待しました」。試合前、このようなアナウンスが日本語でも流されたが、昨年、歴史的自然災害に見舞われた両国のパートナーシップをより強めたいとの思いが今大会には込められていた。昨シーズンは震災による甚大な被害にも負けずJ1リーグ4位と大躍進を遂げたベガルタ仙台を、タイ最強の3冠王者・ブリーラムユナイテッドが迎え撃った。

白熱の攻防、決着はPK戦に

Jリーグから招待されたベガルタ仙台

試合はプレシーズンとは思えないほど、両チームとも熱のこもった激しい一戦となった。両国ともにシーズン開幕前の時期とあり試合序盤こそともにミスが目立ったものの、徐々にゲーム感覚を取り戻したのか、次第に最終ラインからゆっくりとパスを回しながらの落ち着きある攻め合いに。ボール支配率は仙台やや優勢で進んだものの、先制点はブリーラムに生まれた。前半36分、中盤からディフェンスラインとキーパーの間に出されたパスにガーナ人フォワード・Frank Acheapongが反応し、冷静にキーパーの頭を越すループシュート。ボールがゴールに吸い込まれると、バックスタンドに陣取った大勢のブリーラムサポーターを中心に、スタジアムは熱狂に包まれた。

チャンスは作るものの得点できずに前半を終えた仙台は後半28分、ペナルティエリア内で武藤雄樹が倒されて得たPKを太田吉彰が冷静に決めて同点に追いつく。試合が振り出しに戻るとゲームはさらに加熱、激しいぶつかり合いの連続でピッチに倒れ込む選手が続出した。仙台は元・日本代表フォワードの柳沢敦、北朝鮮代表ミッドフィルダーの梁勇基らを投入して攻めに出るも決勝点は奪えず、決着はPK戦に。4人目までに2人が失敗した仙台に対し、4人全員が成功したブリーラムが見事、トヨタプレミアカップのタイトルを手中にした。

来る3月7日にはアジアチャンピオンズリーグ(ACL)でJリーグ王者・柏レイソルとの対戦が予定されているブリーラム。高い技術でしっかりとつなぐ中盤に、決定力あるアフリカ人フォワードを擁するタイ最強軍団は、Jリーグチャンピオンといえども決して侮れない存在と言えるだろう。

タイデビューを果たした元・ジュビロ磐田の本田慎之介に注目

また、後半途中には、Jリーグ・ジュビロ磐田からブリーラムに移籍加入したばかりのディフェンダー・本田慎之介がタイデビューを飾った。187センチの長身を生かした高い打点のヘッドでクロスボールを弾き返すなど持ち味を発揮、身振り手振りを交えて他の選手に指示を出すなど、異国の地での第一歩を順調に踏み出した。今オフも多くの日本人選手がタイリーグへの移籍を果たすなか、本田の場合、ロンドン五輪代表候補に招集されたこともある期待の若手でありながら、J1クラブとの契約をあえて更新せずに海外挑戦の道を選んだ、という点で異色の存在と言える。今後の動向にぜひ注目したい選手だ。

日本人に無料で配られたチケットと応援グッズ

前日の2月17日には、Jリーグとタイプレミアリーグがパートナーシップ協定を締結。この日も日本人の観客には無料券が用意され、さらに日の丸の旗と「必勝」と記されたハチマキが配られるなど、日本との交流をより深めようとする空気が感じ取れた。ここ数年、加速度的に進んでいるサッカー界の「日タイ交流」から今後も目が離せない。

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Written by 本多辰成

本多辰成

バンコク在住ライター。タイサッカーやタイでプレーする日本人サッカー選手を中心に取材、執筆活動を展開。サッカー専門誌『サッカー小僧』(白夜書房)にて、タイサッカーコラム「微笑みの国にて。」を連載中。

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